Il faut cultiver notre jardin

フランス近世史・革命史・フリーメイソン史研究に関するブログです。新刊情報などをまとめています。

2017-01-01から1年間の記事一覧

ラインアルター『フリーメイソンの歴史と思想』について(4)

今回は、ラインアルター『フリーメイソンの歴史と思想』第4章の冒頭、74頁左段『旧き義務」第二条の訳について、問題点が多いと思われるため、私なりに訳し直してみたいと思います。なお、ラインアルターは、本書で一貫して1723年の『旧き義務』(中世石工の…

ラインアルター『フリーメイソンの歴史と思想』について(3)

引き続き、ヘルムート・ラインアルター(増谷英樹・上村敏郎訳)『フリーメイソンの歴史と思想:「陰謀論」批判の本格的研究』(三和書籍、2016年)について気になった点をまとめます。今回は第4章です。 第4章 74頁左段『旧き義務」第二条。ラインアルタ…

[新刊]2018年1-2月

小野塚知二『経済史:いまを知り、未来を生きるために』有斐閣、2018年2月 C.N.コックレン(金子晴勇訳)『キリスト教と古典文化 アウグストゥスからアウグスティヌスに至る思想と活動の研究』知泉書館、2018年2月20日。 杉本淑彦『ナポレオン 最後の専制君…

ラインアルター『フリーメイソンの歴史と思想』について(2)

前回の記事に引き続き、ラインアルター『フリーメイソンの歴史と思想』(三和書籍、2016年)の訳について気付いた点をまとめておきます。今回は、第三章の冒頭、1723年にロンドンで印刷公表された『フリーメイソン憲章』(いわゆるアンダーソン憲章)に収め…

ラインアルター『フリーメイソンの歴史と思想』について(1)

遅ればせながら、ヘルムート・ラインアルター(増谷英樹・上村敏郎訳)『フリーメイソンの歴史と思想:「陰謀論」批判の本格的研究』(三和書籍、2016年)を落手し、読み進めています。インスブルック大学の元教授で、ドイツ語圏フリーメイソン研究の大家で…

[新刊]2017年11-12月

R. C. アレン(眞嶋史叙・中野忠・安元稔・湯沢威訳)『世界史のなかの産業革命 資源・人的資本・グローバル経済』名古屋大学出版会、2017年12月。 ドリンダ・ウートラム(田中秀夫、逸見修二、吉岡亮訳)『啓蒙』法政大学出版局、2017年11月予定。 アントワ…

[新刊]2017年9-10月

池田亮「書評 平野千果子『フランス植民地主義と歴史認識』」『歴史学研究』961、2017年、50-54頁。 ノルベルト・エリアス(大平章訳)『エリアス回想録 (叢書・ウニベルシタス) 』法政大学出版局、2017年。 小田英『宗教改革と大航海時代におけるキリスト教…

[新刊]2017年8月

岩﨑周一『ハプスブルク帝国』(講談社現代新書)講談社、2017年。 マリオ・インフェリーゼ(湯上良訳)『禁書 グーテンベルクから百科全書まで』法政大学出版局、2017年8月予定。 岡本託「フランス第二帝政期における地方幹部候補行政官の登用論理 : ローヌ…

[文献リスト]日本語で読むフリーメイソンの歴史

歴史学や文学の研究者による著作を中心に、学問的に信頼できる文献をリスト化してみました。網羅的ではありませんが、フリーメイソン史を真面目に勉強してみたいという方はぜひご活用ください。今後も更新していくつもりです。フリーメイソン史の概説書・入…

[時事]エマニュエル・マクロンがイルミナティ陰謀論の標的となったのは何故か

エマニュエル・マクロンは、5月7日夜、大統領選の勝利が確定すると、ルーヴル美術館の中庭にある「ピラミッド」の前で勝利を祝う集会を開催しました。その様子を見たツイッター民が、マクロンの当選はイルミナティの陰謀であるとつぶやき始め、ハフィント…

[新刊]2017年6-7月

グルディ、アーミテイジ(平田雅博・細川道久訳)『これが歴史だ! 21世紀の歴史学宣言』刀水書房、2017年6月刊行予定。 A・コルバン、J-J・クルティーヌ、G・ヴィガレロ『男らしさの歴史 3 男らしさの危機?20~21世紀』藤原書店、2017年7月下旬。 …

[作業道具]フランスの文書館所蔵資料の横断検索ポータル「France Archives」

フランスの文書館に所蔵された数百万の文書を全国横断的に検索できる新しいポータル・サイトFrance Archivesの運用が始まったそうです。 francearchives.fr関連記事 [作業道具]近世フランス史研究に役立つウェブサイト集 - Il faut cultiver notre jardin

[時事]フランスのフリーメイソン団体が大統領選を前に異例の声明

2017年4月13日、フランスの七つのフリーメイソン統轄団体が、十日後に予定されているフランス大統領選の第一回投票をまえに、極右政党「国民戦線(FN)」が擁立する候補者マリーヌ・ルペンに投票しないよう呼びかけるという、異例の共同声明を発表しました。 …

[新刊]2017年4-5月

浅田進史「歴史学のなかの若手研究者問題―課題と提言―」『歴史評論』804、2017年。 小田中直樹、帆刈浩之(編)『世界史/いま、ここから』山川出版社、2017年。 工藤庸子『増補新装版 ヨーロッパ文明批判序説:植民地・共和国・オリエンタリズム—』東京大学…

フランソワ・オランド大統領のフリーメイソン生誕300周年記念式典への出席

2月27日、フランソワ・オランド大統領は、パリ9区カデ通り16番地にあるフランス大東方会(Grand Orient de France)を訪れました。フランス大東方会とは、1773年に発足したフランス最大のフリーメイソン統轄組織(obédience)です*1。大統領の訪問の目的は、…

[新刊]2017年3月

伊丹一浩「19世紀フランス南部山岳地オート=ザルプ県における物質循環の回復と生活型農業の衰萎」『農業史研究』 (51)、2017年、2-13頁。 伊東剛史、後藤はる美編『痛みと感情のイギリス史』東京外国語大学出版会、2017年3月31日。 遠藤泰生『近代アメリカの…