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Il faut cultiver notre jardin

近世フランス史研究に関するブログです。新刊情報などをまとめています。

【文書館紹介】ボルドー市文書館

新しくなったボルドー市文書館に行ってきました*1

ボルドー市文書館は、1939年以来、ラグノー邸と呼ばれる建物にありました。ラグノー邸は、高等法院評定官ピエール・ド・ラグノーの寡婦ジャンヌ・ド・スランが1643年に建築士ピエール・レグリーズに建設を命じて、1656年に完成した貴族の邸宅で、ガロンヌ川の左岸、聖アンドレ大司教座聖堂の近くにあるrue du Loupに位置しています。ルネサンス建築の影響を受けた、美しい外観の建物で、1964年には歴史遺産に指定されています。フランス近世史の観点から特筆すべき事柄は、1662年から1679年にかけて、ラグノー邸は、ナント王令によりギュイエンヌ地方のカトリックと改革派の紛争の審理を担当するために、高等法院内に設けられた特別法廷の開催場所であったことです。

ラグノ―邸に入っていた市文書館は、2015年に移転作業のために閉館し、2016年3月11日、ガロンヌ川右岸のバスティド地区、かつて商品倉庫のあった場所に移り、活動を再開しました。元々あった倉庫は、第二帝政期に建てられ、伝統的にボルドーの繁栄を支えてきたガロンヌ川の水運と、1852年にバスティドまで到達したばかりの鉄道輸送を結びつける役割を果たしていたようです*2。木造の倉庫でしたので、2008年の火事により大部分が焼けてしまいましたが、ベルギーの建築家Paul RobbrechtとKristien Daemによって、倉庫の歴史的役割を想起させるような外観をもつ文書館として立派に再建されました*3
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閲覧室はだいぶ広くなりましたが、職員さんたちは変わらず親切で、昔のこじんまりとしたラグノー邸時代の雰囲気を懐かしく思い出しました。
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利用登録は入口のカウンターで行います。パスポートや滞在許可証などの身分証明書を提示するだけで大丈夫です。閲覧室での文書の請求についても、ウェブサイトやメールでの事前予約などは必要ありません。私は、初回訪問時に事前にメールで問い合わせをして、研究テーマに関わる所蔵史料や文献情報を懇切丁寧に教えてもらえました。
写真撮影については、申請用紙に記入し退室前に提出する必要はありますが、古い時代の史料であれば、基本的に自由に撮らせてもらえます。