Il faut cultiver notre jardin

近世フランス史・フリーメイソン史研究に関するブログです。新刊情報などをまとめています。

【文書館紹介】 フィニステール県文書館

先日、史料調査のために、カンペールにあるフィニステール県文書館Archives départementales du Finistèreに行ってきました。日本語での紹介記事に需要はほとんどないと思いますが、利用案内を書いておきます。

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【新刊】2016年9-10月

秋田茂・永原陽子・羽田正・南塚信吾・三宅明正・桃木至朗(編著)『「世界史」の世界史』ミネルヴァ書房、2016年。http://www.minervashobo.co.jp/book/b217326.html

石橋正孝・倉方健作『あらゆる文士は娼婦である 19世紀フランスの出版人と作家たち』白水社、2016年10月。
http://www.hakusuisha.co.jp/book/b243681.html

上垣豊、三時眞貴子、隠岐さや香「『学問の共和国』を読む: 科学史・知識社会史・教育史の視点から」『科学史研究』2016年10月号 No.279、256-267頁。

工藤庸子『評伝 スタール夫人と近代ヨーロッパ フランス革命とナポレオン独裁を生きぬいた自由主義の母』東京大学出版会、2016年10月予定。http://www.utp.or.jp/bd/978-4-13-010131-8.html

中野智世・前田更子・渡邊千秋・尾崎修治(編)『近代ヨーロッパとキリスト教 カトリシズムの社会史』勁草書房、2016年10月。http://www.keisoshobo.co.jp/book/b244731.html

服部春彦「書評 松浦義弘著『フランス革命とパリの民衆 : 「世論」から「革命政府」を問い直す』」『史学雑誌』125(9)、2016年、1613-1622頁。

渡辺優『ジャン=ジョゼフ・スュラン』慶応義塾大学出版会、2016年10月。

ドミニク・カリファ『犯罪・捜査・メディア 19世紀フランスの治安と文化』梅澤礼訳、法政大学出版局、2016年。http://www.h-up.com/books/isbn978-4-588-01049-1.html

カルロ・ギンズブルグ『ミクロストリアと世界史』上村忠男編訳、みすず書房、2016年。http://www.msz.co.jp/topics/08545/

トバイアス・スモレット(根岸彰訳)『フランス・イタリア紀行』鳥影社、2016年10月。http://www.choeisha.com/pub/books/54816.html

ブレーズ・バコフェン(三浦信孝訳)「ルソーの政治思想における戦争論 : 戦争するとは何をすることか?」『思想』1109、2016年、34-55頁。

リン・ハント『グローバル時代の歴史学』長谷川貴彦訳、岩波書店、2016年10月予定。

プーフェンドルフ『自然法にもとづく人間と市民の義務』前田俊文訳、京都大学学術出版会、2016年9月上旬。http://www.kyoto-up.or.jp/book.php?id=2126

『ライプニッツ著作集第II期[2]法学・神学・歴史学』工作舎、2016年9月30日予定。http://www.kousakusha.co.jp/NEWS/weekly20160830.html

ロバート・ルイス・ウィルケン(大谷哲・小坂俊介・津田拓郎・青柳寛俊訳)『キリスト教一千年史』上・下、白水社、2016年

谷口良生「(書評)François DUBASQUE et Éric KOCHER-MARBŒUF (dir.),Terres d’élections: Les dynamiques de l’ancrage politique, 1750-2009」『史林』99巻5号(2016年9月)、717-723頁。

【新刊】2016年8月

フリードリヒ二世(大津真作監訳)『反マキアヴェッリ論』京都大学学術出版会、2016年8月。京都大学学術出版会:反マキアヴェッリ論

イネス・ド・ケルタンギ(ダコスタ吉村花子訳)『カンパン夫人 フランス革命を生き抜いた首席侍女』白水社、2016年。
カンパン夫人 - 白水社

ロベール・シャール『フランス名婦伝』松崎洋訳、水声社、2016年。http://www.suiseisha.net/blog/?p=5973#more-5973

ジュール・ミシュレ(桐村泰次訳)『フランス史〈中世〉1』論創社、2016年。

田中きく代・阿河 雄二郎・金澤 周作(編著)『海のリテラシー:北大西洋海域の「海民」の世界史』創元社、2016年8月。

菅野賢治『フランス・ユダヤの歴史(上) 古代からドレフュス事件まで』慶応義塾大学出版会、2016年。http://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766423600/

山下範久・安高啓朗・芝崎厚士編『ウェストファリア史観を脱構築するー歴史記述としての国際関係論』ナカニシヤ出版、2016年。

中山 智子「デフォンテーヌ作『娘兵士』(1794 年)に見るフランス革命期の演劇の男装のヒロイン像」『研究論叢』(87)、国際言語平和研究所、2016年。http://id.nii.ac.jp/1289/00000211/

【新刊】2016年6-7月

上田耕造『図説 ジャンヌ・ダルク フランスに生涯をささげた少女』河出書房新社、2016年7月22日。

西願公望「功利主義の戦争文化とバレールの革命戦争論 : 世界史再考のために」『日仏歴史学会会報』(31)、2016年、3-18頁。

中野隆生「書評 大森弘喜著『フランス公衆衛生史 : 19世紀パリの疫病と住環境』」『史学雑誌』 125(6)、2016年、1156-1164頁。

中山俊「一九世紀前半のフランス地方都市における歴史的記念物の保存と都市計画 : 歴史的記憶をめぐる中央と地方の関係について」『史林』99(3)、388-418頁。

中山俊「七月王政期の地方都市における歴史的記念物の保存 : フランス南部考古学協会と中央政府の言動を通じて」『日仏歴史学会会報』(31)、2016年6月、19-35頁。

波多野敏『生存権の困難 フランス革命における近代国家の形成と公的な扶助』勁草書房、2016年7月。
http://www.keisoshobo.co.jp/book/b238547.html

平野千果子「奴隷制時代のフランスにおける「黒人」-見えないものから見えないものへ-」『歴史学研究』No.946、2016年7月号、55-65頁。

古谷大輔・近藤和彦(編)『礫岩のようなヨーロッパ』山川出版社、2016年。

前田更子「公教育とカトリシズム : 近現代フランス教育史研究の可能性」『歴史と地理』(694)、2016年、58-61頁。

松嶌明男「書評 服部春彦著『文化財の併合 : フランス革命とナポレオン』」『史学雑誌』125(7)、2016年、1314-1323頁。

松本礼子「18世紀後半における絶対王政の秩序と身分をめぐる認識 : 「悪しき言説」へのパリのポリスの対応から」『一橋社会科学』8巻、2016年、17-36頁。
http://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/rs/handle/10086/27997

水林翔「フランスにおける権利概念の展開 : フランス革命から第三共和政を中心に」『一橋法学』15(2)、2016年、345-398頁。 http://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/rs/handle/10086/28046

ピエール・セルナ(増田都希・西願広望訳)「(講演) 共和国は未完成:今日のフランスにおけるフランス革命」『日仏歴史学会会報』(31)、2016年6月、36-50頁。

ジャック・ル=ゴフ『時代区分は必要か? 「ルネッサンス」を問い直す』菅沼潤(訳)、藤原書店、2016年。

【文書館紹介】ボルドー市文書館

新しくなったボルドー市文書館に行ってきました*1

ボルドー市文書館は、1939年以来、ラグノー邸と呼ばれる建物にありました。ラグノー邸は、高等法院評定官ピエール・ド・ラグノーの寡婦ジャンヌ・ド・スランが1643年に建築士ピエール・レグリーズに建設を命じて、1656年に完成した貴族の邸宅で、ガロンヌ川の左岸、聖アンドレ大司教座聖堂の近くにあるrue du Loupに位置しています。ルネサンス建築の影響を受けた、美しい外観の建物で、1964年には歴史遺産に指定されています。フランス近世史の観点から特筆すべき事柄は、1662年から1679年にかけて、ラグノー邸は、ナント王令によりギュイエンヌ地方のカトリックと改革派の紛争の審理を担当するために、高等法院内に設けられた特別法廷の開催場所であったことです。

ラグノ―邸に入っていた市文書館は、2015年に移転作業のために閉館し、2016年3月11日、ガロンヌ川右岸のバスティド地区、かつて商品倉庫のあった場所に移り、活動を再開しました。元々あった倉庫は、第二帝政期に建てられ、伝統的にボルドーの繁栄を支えてきたガロンヌ川の水運と、1852年にバスティドまで到達したばかりの鉄道輸送を結びつける役割を果たしていたようです*2。木造の倉庫でしたので、2008年の火事により大部分が焼けてしまいましたが、ベルギーの建築家Paul RobbrechtとKristien Daemによって、倉庫の歴史的役割を想起させるような外観をもつ文書館として立派に再建されました*3
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閲覧室はだいぶ広くなりましたが、職員さんたちは変わらず親切で、昔のこじんまりとしたラグノー邸時代の雰囲気を懐かしく思い出しました。
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利用登録は入口のカウンターで行います。パスポートや滞在許可証などの身分証明書を提示するだけで大丈夫です。閲覧室での文書の請求についても、ウェブサイトやメールでの事前予約などは必要ありません。私は、初回訪問時に事前にメールで問い合わせをして、研究テーマに関わる所蔵史料や文献情報を懇切丁寧に教えてもらえました。
写真撮影については、申請用紙に記入し退室前に提出する必要はありますが、古い時代の史料であれば、基本的に自由に撮らせてもらえます。

【文献メモ】近世フランスにおける宗派共存

  • Philip Benedict « Un roi, une loi, deux fois : Parameters for the History of Catholic-Reformed Coexistence in France, 1555-1685 » in Bob Scribner (ed.), Tolerance and Intolerance in European Reformation, Cambridge, Cambridge University Press, 1996.
  • Didier Boisson et Yves Krumenacker (éd.), La coexistence confessionnelle à l’épreuve. Études sur les relations entre protestants et catholiques dans la France moderne, Lyon, 2009.
  • Gregory Hanlon, Confession and Community in Seventeenth-Century France : Catholic and Protestant Coexistence in Aquitaine, Philadelphia, University fo Pennsylvania Press, 1993.
  • Keith Luria, Sacred Boundaries Religious coexistence and conflict in Early Modern France, Washington, D.C., The Catholic University of American Press, 2005.
  • Robert Sauzet, Contre-Réforme et réforme catholique en Bas-Languedoc, le diocèse de Nîmes au XVIIe siècle, Paris-Louvain, Nauwelaerts, 1979.

【新刊】林田『ルイ14世とリシュリュー』

林田伸一『ルイ14世とリシュリュー 絶対王政をつくった君主と宰相』山川出版社、2016年。
ルイ14世とリシュリュー | 歴史と教科書の山川出版社